S-scan 導入施設インタビュー

プライマリケア医にとってMRIは、確定診断をサポートするためのツール。
コストパフォーマンス、コンパクト性、性能のバランスを重視しました。

川久保整形外科クリニック

(埼玉県さいたま市)


川久保 誠 先生

■MRI選定にはランニングコストと設置スペースを重視
 


—    元々は地元で長く開業を続けておられた整形外科クリニックだそうですね。

 

当院は、父の代から続く有床の整形外科クリニックでした。父が高齢になったのを機に、2004年に院長として後を継ぎました。私自身は、もともと膝関節・スポーツ医学を専門としていましたので、継承した後は整形外科一般に加え、スポーツ整形外科とリハビリテーションを行うようになりました。

 

その後、建物の築年数が40年以上経過したこともあり、建て替えを決意、そのタイミングでMRIを導入することにしました。

 

 

—    MRIの選定にあたっては、どのように検討しましたか。

経営上、コストパフォーマンスは重要な要素でしたので、ランニングコストの観点から、永久磁石に絞ることからはじめました。また、設置スペースも大切な要素でした。建て替えを機に、高齢者向けの通所リハビリにも注力しようと考えていましたので、限られた土地面積・建物面積でどのようにスペースを割り振り、MRIを設置するかは重要なポイントでした。


MRIも出来るだけ小さい製品を探し、候補製品を導入した場合の建築図面を比較、駐車場の確保や道路までの距離、放射線技師の動線などを検討し、最終的にエサオテ社のS-scanが最適との結論に至りました。

 


■営業担当に輸入を打診、本邦第1号のS-scan導入へ

—    ただ、当時日本ではS-scanが販売されていなかったそうですね。

まだありませんでした。当時の営業担当者も存在を知らなかったようです。導入にあたり、担当者は四肢専用MRIを勧めましたが、私としては脊椎や肩、股関節も撮影可能なコンパクトMRIが欲しかった。

 

そこで「こういう製品があって」とエサオテ社のS-scanのパンフレットを見せ、輸入手続きが取れないかと相談したのです。その結果、1年半後に、クリニックの建て替えとS-scanの導入が実現しました。

 

 

—    日本で1台目の導入だったわけですね。不安はありませんでしたか。

 

海外メーカーということもあり、確かに周囲からはメンテナンスを心配する声はありました。ただ私としてはそれ以上に、省スペースで済むことのメリットを感じていたので、不安はありませんでした。導入前に見せてもらった撮像も超電導MRIと比べても比較的良好という印象でした。稼働してからは大きなトラブルもなく、半年に1回の定期メンテナンスで済んでいます。

MRI室。S-scanの導入に合わせてスペース設計がなされたため、一切の無駄がない。

■診断精度が高まり、治療までの流れがスムーズになった

—    月あたりのMRI実施数は何件ですか。

 

月平均で110〜120件程度です。1日あたり5件以上、多い時は10件に及ぶこともあります。特に当院は新患の割合が高く、月3,500名の患者さんのうち、500名が新患を占めることもあります。MRIの撮影も8割が新患です。MRIの撮影を希望して来院される患者さんもいます。


患者層は、主に高齢者と子供です。午前中は高齢者、午後5時以降は部活帰りの小・中学生、高校生がほとんどを占めています。

 

 

—    S-scan導入により診療内容や診察のスピードは変わりましたか。

やはり変わりましたね。導入前は、近隣の脳神経外科にMRIの撮影を依頼していましたが、患者さんはわざわざその施設へ足を運ばなければいけませんし、確定診断までに時間もかかりました。また、外部に撮影を依頼するからには、ある程度対象者を絞り込まなければならないとの意識が心の中にありました。

それが自施設にMRIを導入したことで、診断から治療までの流れがスムーズになったことを実感します。

 

 

—    MRIは初診時に実施していますか。

 

撮像可能であれば、なるべくその日のうちにするようにしています。これも自施設にMRIがあるからこそのメリットですね。
整形外科分野においては、診察こそが治療の要です。その診断精度が高まれば、初期治療も適切に行えますし、その先の治療も早く進められます。そして、患者さんの痛みも軽減できます。

 

骨折疑いの患者さんに「折れているかもしれません」と伝えるのと、MRIの撮像とともに「やはり折れていました」と明確に伝えるのでは、やはり大きな違いがあると思うのです。

 

あるいは肉離れの場合も、MRIであれば患部の筋肉の種類やその状態、重症度が明らかとなり、治療期間も的確に伝えられます。
原因不明な痛みというのはまだまだありますが、MRIを活用することで、その原因に少しでも迫れるというメリットは十分あると思います。

 


■プライマリケア医としての役割とMRI

—    MRIの導入で臨床的に気づいたことはありますか。

当院の統計によると、スポーツをやっていて1〜2週間持続的な腰痛を訴える10代前半の子供の約45%が、腰椎分離症であることが明らかとなりました。一流のスポーツ選手特有の疾患と思われていた疲労骨折が、決して珍しいものではないということです。潜在患者の存在を明らかにしたという意味において、MRI導入の意義の大きさを感じましたね。


また、稀に、MRIを通して整形外科以外の疾患に遭遇することがあります。例えば、首の痛みを訴えた方で咽喉膿瘍や縦隔腫瘍が明らかになったケースや、腰の痛みを訴えた患者さんに大動脈瘤が発見されたケースがありました。他にも、椎間板ヘルニアを疑っていた患者さんが、実は化膿性椎間板ヘルニアだったという事例もありました。こうしてみると、MRIがあることで診断の幅はかなり広がりますし、診断の見落としも減るのではないかと期待できますね。

 S-scanによる膝(上)、足首(下)の撮像。

—    整形外科領域でのMRIの存在意義を改めて感じさせられます。

重要なのは、何を目的とするかだと思うのです。プライマリケア医がすべきことは、確実な診断をし、治療法を判断することです。その手段としてMRIは非常に有用ですが、3テスラほどの高精細な画像が必ずしも必要かというとそうではない。一方で、整形外科領域のプライマリケア医にとってのMRIは、確定診断に資する性能があれば十分ではないでしょうか。

 

そういった意味では、S-scanは画質も良いですし、ランニングコストにも優れています。整形外科に特化したコンパクトなMRIという点では、魅力的な製品だと思います。
 

【施設情報】

川久保整形外科クリニック
埼玉県さいたま市緑区太田窪3-8-2
TEL 048-885-5411

https://www.kawakubo-clinic.jp/


※本レポートの記載内容は、製品の仕様値として保証するものではありません。

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